2005.8.8
くりかえし
「シチリアーノ」という音楽があります。
シチリア起源のダンス音楽、というのが
もともとの意味ということですが、
そのテンポは「心臓の鼓動に近いもので」というのを
聞いたことがあります。
メトロノームも秒針もなかった時代、
最も身近なテンポの指標となるものは
自分の心臓のリズムだったんでしょうね。
ウンベルト・エーコの『フーコーの振り子』でのワンシーン。
太鼓のリズムにトリップしてしまった彼女が一言。
「もう、あなたと一緒にいることはできない」
(かなり、うろおぼえ・・・。違ったらゴメンナサイ)
今、私たちの身体の中にある遺伝子は
生物としての個体を乗り換えつつ、変化しつつ
無限に近い春夏秋冬を繰り返して
その365倍もの昼と夜を繰り返したことでしょう。
くりかえし、くりかえされ、くりかえす。
太古から続いてきたこと。
【旧 Short Tripより 2002.01.18】