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2005.7.31

音前線

「音の変わり目」に弱いのです。かなり。
ツボを付かれたものだと、その一瞬の為だけにでもその曲を聞きたくなることもあります。

古くはバッハが多用しているような、短調の曲の最後に長調のコードを持ってくるものとか。坂本龍一教授(大ファンです!)の曲調の中にみられるような、濁りのない音系からの絶妙な音のぶつけ方とか。音を思い浮かべただけでクラクラしてしまいます。

それらはどことなく、前線に似ている気がします。暖気と寒気のぶつかる場所。あるいは、田んぼのあぜ道を歩いて突如としてぶつかってくる、湿り気をおびた暖かい空気の塊とか。もしも私が魚だったら、暖流と寒流がぶつかるところを心地よいと思うかもしれません。「水の色のかわる場所」そういう表現をした人もいます。

それらの「フワ」っとした感覚。つかまえられそうで、つかまえられないのです・・・。

【旧 Short Tripより 2000.11.26】