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2005.6.22

比例のはなし — 黄金比からコンピュータのモニターまで —

A T T E N T I O N !

上の四角は正方形に見えますか?
見えない場合はモニターを調整することを推奨致します。
・・・言われなくてもカンペキだって?(笑)

* * *

比例にハマりました。
ちなみに、サブタイトルの「黄金比からコンピュータのモニターまで」 は縦横比の上限、下限の範囲です。時系列の範囲だったら・・・かなりヘヴィなテーマですね。

■黄金比

1:(1+√5)/2  1.62
かの有名な黄金比。古くはピラミッドに始まり、数々の建造物に用いられてきた、とされている比例です。歴史建築に5:8に近似される比例が出てくると、考古学者の方の中には「この形態は黄金比により決定された!」という結論にもっていきたがる人もいるとか。美しい比例(意味的に?)とされてきたものですけれど、現在の紙の規格に慣れると、なんとなく細長く感じませんか?

■官製はがき

10:14.8 (cm)  1.48
おおよそA6(10.5:14.8)なのですが、微妙に短辺が短いようです。なぜ、こうなったかという原因は、はがき大に紙をカットする以前のおおもとの紙の規格にあるのでは、とニラんでいるのですがどうでしょう?

■リバーサルフィルム用マウントの穴

2.3:3.4 (cm)  1.48
奇遇にも官製はがきの比とほぼ一致。もしかしたら、このあたりのバランスにも先人の知恵なり感性なりが凝縮されているのかもしれません。以前から疑問に思っていたのですが、カメラによって画像が焼きつけられる範囲というのはどのようにして決まったのでしょうか。短手方向はフィルムの幅ということで決着がつきそうですが(なぜ35mm、という疑問はあるけれど)、問題は長手方向。巻き付けているフィルムや、レンズによる歪みの気にならない範囲、ということで調整されているとか。あるいは逆に、レンズとフィルムを歪みの出にくい範囲で調整しているとか。初期のころのカメラ(写真機?)では前者、安定期以降は後者によるのかもしれませんね。

■写真のプリント(35mm・L版)

8.8:12.9 (cm) 1.47
プリントすると、さらに長辺が短いバランスになるようです。かなり微妙ですけどね。でもこれは、マウントの穴との比較。ファインダーで見えている範囲は、さらに違う気がします。右端、あるいは左端をギリギリに調整してアングルとって、出来上がってみたら切れていた、という悲しい思いをしたこと数しれず。
そういえば、パノラマという規格もありますね。出はじめの頃、おもしろがって撮ったりもしましたが、最近使うことはありません。やはり従来のバランスのほうがしっくりきます。APSは使ったことありません。

■紙の規格(A版 , B版)

1:√2  1.41
1枚の紙を半分に折る。それでも縦横の比例は折る以前と変わらない。このようなものとして、紙の規格は決まりました。(たぶん)
式であらわすと、次のようになります。

A:B=B:A/2

昔これを始めて知った時、「なるほど!」と思いました。

■コンピュータのモニター

3:4  1.33
これはもしかしたら画素の数のきりのいいところ、という理由から決まったのではないでしょうか。
このサイトを作りはじめた頃、慣れ親しんだ紙の規格からするとズングリとしたバランスにちょっと違和感がありました。
そういえば、ポケットボードなどはもっと横長ですよね。どのくらいの縦横比なんでしょうか?

実は今回のネタは、主にこのサイトを企画しはじめたころに調べた(あるいは測った)データを元にしてます。その時、他にも本だの雑誌だのをおもしろがって定規で測り回ってみたのですが、そのメモは見当たりませんでした。残念!

余談ですが、「定規」のことを岡山弁では「さし」と言います。

そんな話を友人にしたところ、
「岡山では‘さしで勝負’って定規で決着をつけることを言うの?!」
・・・言う訳ないやん。(笑)

【旧 Short Tripより 1999.09.06】