カテゴリー:思考の断片
2005.6.19
定規を持つということ
私は「原初的なもの」が好きだ。
音にしても、形にしても、思考にしても、単純ではあるけれども、素直なもの。現代の常識で判断すると、全く検討違いなものもあるかもしれない。それでも、そこから発展する様々な可能性を感じさせられる。
恐らくそこには基準となるものがなかったのだろう。そこで、ものを判断するのは「相対」ではなく「絶対」だった。もちろんそこには個人差が生じる。そして、意志の疎通を図るために規格が作られる。長さを測るために定規が作られ、思考も「常識」とされる考え方に収束していく。
そしてそれが定着すると、逆に自分の中に情報をとりこむ時点で規格に対する「相対」で判断するようになる。記憶するにも記録するにもその方が便利だからだ。
「定規」を捨てることはできない。でも、物事を自分の中に吸収する時は「原初的」な見方をしていたい。そう思う。
【旧 Short Tripより 1999.08.25】
2005.1.18
空想・世界標準時
普通、世界標準時といえばグリニッジ時間。世界的・宇宙的な規模の時間の話をする時に時々目にする言葉です。
でもね。もうちょっと日常的に使える世界標準時があったら、それはそれで便利かも?なんてことをフと思いついたのです。
ちょっと空想してみましょう。
グリニッジ時間を使うのに抵抗があるのは数字を使っているせいもあるでしょう。日付が変わるのが7時の地域の人がいたり5時の地域の人がいたりするのは、当人たちにとってはやはり抵抗がありそうです。
それだったらいっそ、記号を使ってはどうでしょう?
現に月を表す言葉は、今の日本では「1月、2月」といった数字以外は見られませんが、かつては「卯月、神無月、葉月」なんて名前を使ってました。また、海外でも「January, February」といった数字とは関係ない名称が定着している言葉もあります。それの「時間版」を作ってみるのです。
仮に、かつての日本で使ってた「子・丑・寅・卯」を使ってみたとします。私たちにとって、「最初は『子』」という順番意識が定着しているので、本当はもっと別の喩えを使いたいのですが、わかりやすいものを思いつかなかったので。(あ、星占いの星座でもよかったかもしれませんね。まぁ、いいや)今、それそれの地域で使っている時間との関係は、音階でいうところの音名と階名の関係です。
するとどういうことが起こるでしょう?
辰の刻にお昼ごはんを食べる地域があれば、酉の刻に食べる地域もあります。
丑の刻が怪談をするのに最適な地域もあれば、「真っ昼間っから、怪談なんてしてられねーよ!」という地域もあるでしょう。
威力を発揮するのは世界規模のイベントです。「W杯、初戦キックオフは寅の刻」といえば世界中の人たちに通じるのです。
プライベートでもビジネスでも、海外の国の人とのコミュニケーションには時差をカウントせずに意志の疎通ができます。
飛行機で海外に行っても、時計を修正する必要もありません。
「子・丑・寅」という局所的に使われていた言葉を使うのに抵抗があれば、新しい記号を作るというのも手かもしれません。新しい記号を作ったとしても、アルファベットその他の文字とは別系統で派生した「数字」が定着していったように1000年もあれば定着することでしょう。
せっかく作るんだったら、文字系のデザインの得意なデザイナーに新しい記号を作ってもらったら楽しそうです。
・・・と、ふくらましてみたのですが、コンピュータで情報を管理するにあたって、数字の方が圧倒的に扱いやすそうだから、定着するのは難しそうだよなぁ。残念。
2004.12.22
におい
昔、外国のお土産をもらった時
なんとなく「外国のにおい」がする気がしていた。
お土産そのもののにおいもあったと思う。
でも、ラッピングの紙や
何気ない袋からも「外国のにおい」は感じられた。
* * *
「におい」とひらがなで書くと
良いにおいの方が多い気がする。
「ニオイ」とカタカナで書くと
悪いニオイの方が多い気がする。
「臭い」と漢字で書くと
圧倒的に悪い臭いを指す気がしてしまう。
「香り」と書くと、ちょっと人工的なもの、
あるいは意図的なものを感じてしまう。
いや、ただの偏見なんだけど。
* * *
日本人は比較的、
強いにおいを好まないと言われているようだ。
以前、アキさんとチャットしている時に
外国人と日本人のにおい(もしくは香り)の好みの話になった。
「こっちではね、柔軟剤の香りを選んで、
洗濯物にもしっかりつけるのが優秀な主婦なんだよ!」
(アキさん、ニュアンスが違ってたらゴメンね)
日本では「外からのニオイがつかない柔軟剤」というものも
市販されている。
かく言う私も愛用している。
「文化の違いだねぇ」「ホントだねぇ」
* * *
香水など、身体にまとわせる香りも
日本人はあまり強いものを好まないような気がする。
現に私もあまり強い香りは苦手だ。
電車などで近くに香りの強い人がいると
避けて別の場所に移動するくらい苦手。
苦手と言いつつも、憧れる部分もある。
「大人」を感じるからだろうか。
お酒を飲むことに憧れる下戸の人、みたいなものかもしれない。
* * *
「においが苦手」と言っても、やはり食べ物のにおいは別。
美味しそうなにおいは大好き!
トウキビを蒸すにおい
サツマイモをふかすにおい
肉の焼けるにおい
チーズの溶けるにおい
カレーのにおい
シチューのにおい
筑前煮のにおい
さばの味噌煮のにおい
日本人なら忘れちゃいけない、
ご飯の炊きあがるにおい!