2004.9.3
「もちろん」
「日本人はよく『もちろん(of course)』と言うけど、
時々奇妙な使い方をしていると感じてしまう時があるんだ」
そんな話をしていたのは、スコットランドの人。
「もちろん、私は自分の仕事が好きなんです」という感じにね。
こんな例をあげていた。
「会ってすぐの人なのに、
彼(もしくは彼女)が自分の仕事が好きかどうかなんて
僕にはわからないよ」
もしも、私が聞き手だったら
「ふーん、そう」くらいで聞き流していそうな気がする。
スコットランド人の彼と、何が違うのだろう?
辞書には「もちろん = of course」とある。
でも、その意味に含まれる範囲は若干異なるのかもしれない。
(私の語学力では何とも言えませんが・・・)
もしくは、
日本国民の根底意識に
「勤労は当然だ!」みたいな共通意識があるのかもしれない。
(かなぁ?)
真偽のほどはともかく、
国民的な意識のコンテクストの違いだとしたら、
大げさな話になってくる。
* * *
会話の中だけでなく、デザインの世界では
いかに上手に「もちろん」を使うかは
かなり重要なことだろう。
「この絵をみたら、トイレはココだってわかるよね?」
「この場所なら煙草を吸ってもいいってわかるよね?」
「WEBサイトのこのページの中で、リンクボタンはどこかわかるよね?」
「この箱は、ここから開ければいいってわかるよね?」
などなど。
それを見せる手法はまちまち。
「それらしく」デザインしたり
他の部分の印象を控えめにすることによって
「ココしかないだろう」と見せてみたり。
* * *
でもね。
パブリックな「もちろん」は
ある程度標準化できるかもしれないけど
一番難しいのは個人個人の「もちろん」かもしれないなぁ。